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レイズさんとマルスの超小話です。
月夜に盃。




「いい月夜だ」


こういう夜はお酒が美味しい。よね?
とレイズは隣の某に目線を向ける。
日はとうの昔にとっぷりと暮れ、ある縁側(別にどこだろうと今はあまり重要ではない。)で
2人並んで胡坐をかくなり月を見ながら盃を交わしている。


「そなたと一緒でなければもっとうまい酒になったのは間違いなかろう」

「マルス相変わらずひどいよー」


おどけて言って見るレイズの顔はこちらからは面で隠れてよくわからない。
笑っているのか、それとも困った顔をしているんだろうか。


「…古来よりの書物には…盃を交わしたもの同士は義兄弟の契りを交わすという儀式が存在する」

「義兄弟ね…俺たちにゃ似合わないねー」

「それだけ同意しよう」


猪口の中の酒を飲み干すと酒独特の高揚感で体が満たされる。
冷たい夜風が酔いを回らせるのを遅らせてくれるのが幸いだ。


「どうして盃だけで兄弟になれるんだろうね」

「血のつながり…など生まれたところに機縁するものではないという古き者の教えぞ。」

「へんなの」




(もし 全員が義兄弟になれば 血の繋がりなんて関係ないのにね)








あまりに小さな声すぎて何を言ったかは聞こえなかった。

ああ、聞こえなかったさ。





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すでに歩むべき道は別れている二人^p^



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