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届くことのない5のお題

追記から01. 簡単には言えない言葉
マルスと、シスハちゃんとリドーさんのはなし。
モブ悪いやつが出てきます注意^^






「マルス、ただいま」



帰ってきた彼女のすがたは傷だらけで、
コートや羽根を模した部分は破けて原型をとどめていない。
彼女の自慢の大鎌は少し刃こぼれしている。
そんなに危ない任務を課した覚えはない。
目を丸くする以外にやれることがなかった。


「…どうした、その…傷は」

「ううん、…喧嘩だよ、そう喧嘩に巻き込まれたの」


街のチンピラの。といってわらう彼女。
彼女に勝つチンピラが街に存在するのかはおいておいて
うそなのはまちがいない。
どう聞き出そうか思案していたところに後ろから入ってきた男に
ますます目が丸くなった。


「…っ、リドー…何だその傷は」


シスハと同じくらいの傷はあろうか、彼の白い服は紅く染まっている。


「…」

「二人揃ってその傷で…嘘は通じぬ、本当のことを申せ」

「……っ……しいよ…」


小さくシスハの口から声が漏れた。








「くやしいよ、りーだー」









まっすぐにこちらを見る大きな丸い目からはぽろぽろと涙がこぼれている。


「街の奴らが噂してるの聞いたんだぁ…」


ポツポツと言葉が漏れる。
その言葉は小さくまるで今にも消えてなくなりそうな。


「オヴスクリートが腑抜けてるのは…ッ統率してるやつが腑抜けだからだって」

「…」

「レジスタンスにも劣ってるし…破壊なんてよくいうよ、って…いうから…シィ…シィ……っ」


手をだしたのか、とはいえなかった。
彼女をこの状態にしらしめている元凶が自分だと知った上でその言葉は出なかった。


「…手を出してきたのは向こうだ、リーダー」

「リドー…そなたも傍におったのか」

「……シスハがやめさせようとしたら向こうに殴られたからな、加勢したまでだ」


仲間として、と呟くと一瞬じっとこちらを見てから出て行った。


「…シスハ、こちらへおいで」


手招きするとシスハは一瞬肩をすくませてから目の前まであるいてきた。
涙が頬の傷ににじんでとても痛そうだ。
近くで見るともっと痛そうで。


「…そいつになんて言ってやったのだ?」

「………う…うちのリーダーを…ばかにするな、って…言ってやった」


上を向いて少し笑いながら言った。
仲間であろうと、トップであろうと一番簡単には出ない言葉。
簡単でない言葉には簡単でない言葉で返すのが礼儀だと俺は考える。
シスハの足元へしゃがんでゆっくり彼女の頭を撫でる。


「…ありがとう、シスハ、お前は某の誇りぞ」

「…っ、はずかしいよ、某!」


ぺちんと軽く頬につめたい手があたった。


















簡単には言えない言葉
(言の葉には人生を変えるすべての要素がそろっているのだから!)





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つまりシスハちゃんが可愛くてリドー君がかっこいいというはなし。(
すみませんマルスが言ってること全部理想論です。ほんとに。








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